11/08/2015

Adventurebuilt "Henry"


アドベンチャービルトはインディアナ・ジョーンズ4作目でハット製作を担当したオリジナルのインディハット・メーカーです。
4作目のクリスタルスカルが公開された後はアドベンチャービルト(以下、AB)にはオーダー依頼が殺到し、手元に届くまで2年近く掛かった人もいたようです。


今までインディが被っていたハットは(劇中使用されていたハットは)1と3作目がハーバート・ジョンソン、2作目がバロン・ハット、何れもラビットファー・フェルトでしたがABハットはビーバーファー・フェルト100%。ビーバーはラビットに比べると比較的硬く、水も確り弾き型崩れも起こしにくいと評判も高いです。




ABが劇中同様のビーバー100%で製作したハイエンド・モデルのハット"AB Dlx"に対し、コマーシャルモデルとして製作していたのが ”ヘンリー” です。
言わずもがな、ヘンリーとはインディの本名、ヘンリー・ジョーンズ・ジュニアから来ています。このハットはラビット80%、ビーバー20%のブレンド・フェルトで製作されていました。


AB Dlxが全てハンドメイドで製作されていたハイエンド・モデルの位置付けに対して、ヘンリーはファクトリー・メイド。
ファクトリー・メイドと言ってもフェルトの圧縮など素材製作のプロセスが機械による量産だっただけで、ハットのアッセンブルは多くが手作業で、使用されたミシンも1920~1930年代のビンテージ物と言うかなり凝ったモデル。(現在”ヘンリー”は生産されていません。)
ラビット/ビーバーのブレンド・フェルトは表面はしっとりと柔らかく靭やか。ハットは確りとブロックされていてファクトリーメイドと言ってもアクーブラとは作り方が全く異なる限りなくハンドメイドに近いモデルでした。


このヘンリーはメーカーのABからでは無く、ペンマン・ハットから購入しました。最初ABに問い合わせたものの、在庫が無く次のロットの生産まで時間が掛かるとの事で出荷先の別のリテイラーを紹介してもらい、そのリテイラーがペンマン・ハットでした。


スウェットバンドはスウェードのカーフ・レザー。柔らかく、被り心地も素晴らしくライニング素材も文句なし。
ただこのヘンリー、あまりに丁寧に作られていてアウトドアで被って汚したらもったいないなと考えてしまい時々ハットの型を調整したり飾っておいたりと、ずっとコレクション状態。その為に身辺整理で手放してしまったハットでもあります。
もうひとつ、自分がヘンリーを殆ど被らなかったのはツバの幅が自分には広過ぎてインディハットと言うよりもカウボーイ・ハットになってしまったから。


4作目のABを除き、インディが被っていたハットは映画のスタッフによって手が加えられているので例えハーバートジョンソンからポエットを購入しても、そのままではインディ・ハットにはなりません。
一番の特徴はツバの幅がかなり調整されていて1作目、3作目で使用されたハットはノーマルのポエットよりかなりツバがカットされています。インディギアの本家、Indy Gear(※1)では映画関係者からの証言や再検証で正確なサイズも公表されています。


自分もツバの調整、”ディメンション・カット”は試みた事はあるのですが単純に全周を同じ幅でカットしてもバランスは崩れます。ハットの高さとツバの楕円率、両方のバランスを取らないといけないので大変に難しいのです。


今のところはやっぱりアクーブラのフェデレーションIVが自分の顔には一番しっくり来るんですよね。
ただ最近はヘンリー以来、リボンやライニングなどで相談する事もあるペンマン・ハットやドイツのアドビンテージ・フェドーラでカスタム製作してもらうのも良いかなと考える事もあります。


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(※1)インディ・ギアの本家
Indy Gear
http://www.indygear.com/